- 本の紹介
- 企業財務の視点でリスク管理を捉え、主要な手法であるデリバティブやスワップ、保険、分散投資、証券化、信用リスク管理、年金ALM、ファジィ理論などの原理と方法論を詳説。
目次
現代の財務経営4
企業リスク管理の理論
目次
第1章 リスクマネジメントの意義と財務的原理
1 はじめに
2 結果から見たリスクの種類:変動のリスクと破綻のリスク
3 発生過程から見たリスクの種類
4 ファイナンスにおけるリスクとその管理:分散とヘッジ
5 企業とコンプライアンス
6 内部統制とリスクマネジメントの一般概念
(1) 内部統制と内部監査
(2) 内部統制とリスクマネジメント
7 COSOの内部統制フレームワーク:内部統制の実務
8 COSO ERM
(1) COSO ERMの定義
(2) COSO ERMのフレームワーク
(3) COSOのリスク事象の分類
第2章 デリバティブによるリスク・ヘッジ
1 先物によるリスク・ヘッジ
(1) 最適ヘッジ比率
(2) 指数先物によるポートフォリオのリスク・ヘッジ
(3) ポートフォリオ・ベータ値の変更
2 オプションを用いたリスク・ヘッジ
(1) デルタ・ヘッジ
(2) ポートフォリオ・インシュアランス
第3章 スワップ
1 金利スワップ
(1) 金利スワップの評価
(2) スワップ・レートの評価モデル
2 通貨スワップ
第4章 保険制度の経済分析
1 保険制度
(1) 保険とは何か
(2) 保険制度を成立させる原則
2 不確実性の経済学の概要
(1) 不確実性とは
(2) 期待効用仮説
(3) 保険を用いた期待効用の説明
3 保険制度の経済分析
(1) 保険市場の均衡分析
(2) 保険市場の競争均衡
4 非対称情報下での保険市場
(1) 逆 選 択
(2) 保険市場の一括均衡の崩壊
(3) 非対称情報下における保険市場の分離均衡
第5章 分散投資によるリスク削減
1 分散投資とは
(1) 期待収益率
(2) リスク:分散と標準偏差
(3) ポートフォリオの収益率
(4) ポートフォリオの収益率の分散
2 最適ポートフォリオの選択
(1) 効率的フロンティア
(2) 安全資産の導入と分離定理
(3) 相関係数
(4) ポートフォリオのリスク削減効果
3 投資家の効用関数とリスク回避
(1) 効用関数
(2) 期待効用
(3) リスク回避
(4) リスク回避度
4 平均分散分析と期待効用最大化の整合性
5 時間分散
第6章 リスクの証券化
1 流動性確保のマネジメント
2 証券化の概要
(1) 仕 組 み
(2) 証券化の効果
(3) 不動産,保険商品の金融商品化
3 証券化の歴史
4 リスクマネジメント手段としての証券化
5 証券化商品のリターン
6 サブプライム問題と資本市場の整備
第7章 信用リスク管理
1 はじめに
2 信用リスクの源泉
3 信用リスク管理の必要性と類型化
(1) 信用リスク管理の必要性
(2) 信用リスク管理の類型化
4 銀行の信用リスク管理
(1) 銀行の信用リスク管理
(2) バーゼル?(Basel II)における信用リスク
(3) 外部格付
5 信用リスク管理の限界と課題
(1) 監督官庁による信用リスク管理
(2) 銀行による定量的な貸出審査
(3) あらゆるリスクの統合的管理
6 おわりに
(1) 信用リスク管理の本質
(2) 最適な信用リスク管理
第8章 年金ALM
1 はじめに
2 サープライス型年金ALMのフレームワーク
3 年金ALMモデルによる資産運用
第9章 ファジィ理論とリスク管理
1 はじめに
2 ファジィ理論の概観
(1) ファジィ集合
(2) ファジィ関係
(3) ファジィ数
(4) ファジィ集合に関する性質
3 意思決定とファジィ理論
(1) 効用関数
(2) ファジィ意思決定の方法
4 言語モデリングとファジィ推論
5 ファジィ数を用いた計算法の拡張
(1) ファジィポートフォリオ技法
6 おわりに
索 引
著者プロフィール
■編著者紹介
甲斐 良隆(かい よしたか)
1949年生まれ
京都大学大学院工学研究科(数理工学)修士課程修了,博士(商学)
帝人?,三菱信託銀行?統括マネジャー,神戸大学大学院経営学研究科助教授を歴任
〔現在〕 関西学院大学大学院経営戦略研究科教授,兵庫県資金管理委員会委員長,大阪府・大阪市信用保証協会外部委員
〔主著〕
『資産運用とリスクマネジメント』エコノミスト社,2002年。
『リスクファイナンス入門』(共著)きんざい,2004年。
「自然災害とリスク・シェアリング」Economy Society Policy,No 414,2006年。
「キャッシュリザーブを用いたモーゲージ担保証券優先劣後構造の最適設計」(共著)オペレーションズリサーチ学会誌,vol 49 No 4,2006年。
「事業リスクと災害リスク管理の統合効果」関西学院大学レビュー,vol 2,2007年。
榊原 茂樹(さかきばら しげき)
1945年生まれ
神戸大学大学院経営学研究科修士課程修了,経営学博士
〔現在〕 関西学院大学商学部教授,神戸大学名誉教授,日本経営財務研究学会会長,証券経済学会常務理事
〔主著〕
『現代財務理論』千倉書房,1986年。
The Japanese Stock Market : Pricing Systems and Accounting Information(共著),Praeger Publishers, New York, 1988.
『現代の財務管理』(共著)有斐閣,2003年。
『パーソナルファイナンス入門』(共編著)中央経済社,2006年。
『知的資産ファイナンスの探求』(共編著)中央経済社,2007年。
若杉 敬明(わかすぎ たかあき)
1943年生まれ
東京大学大学院経済学研究科博士課程中退
〔現在〕 東京大学名誉教授,東京経済大学経営学部教授,ミシガン大学ロス・ビジネススクールミツイライフ金融研究所所長,日本コーポレートガバナンス研究所理事長,?リコー取締役,?JFEホールディングス監査役,?NTTドコモ監査役
〔主著〕
『入門ファイナンス』中央経済社,2004年。
『株主が目覚める日―コーポレートガバナンスが日本を変える』(監修・共著)商事法務,2004年。
『コーポレート・ガバナンスにおける商法の役割』(共著)中央経済社,2005年。
『わが国M&Aの課題と展望』(共著)商事法務,2006年。
『コーポレートガバナンス・マニュアル―21世紀日本企業の条件(第2版)』(監修・共著)中央経済社,2008年。